蒟蒻畑。

 特許まで放棄して事故の拡散を防ごうとしていた優良企業であるマンナンライフがなぜ打撃を受けなければならないのか。

 フールプルーフという言葉がある。回転する羽根で怪我をしないよう扇風機にカバーがついていたり、オートマの車でブレーキを踏まなければギアチェンジができないなど、工学などの分野で浸透している誰にとっても安全な仕組みにする概念のことだ。

 過去に起きた事故を受けてマンナンライフは数度に渡り商品の改良を行ってきた。窒息しにくいようカップの形状をハート型にしたり、蓋の接着力を幼児が開けられない程度にしたり、CMで正しい食べ方を紹介したり、注意書きをパッケージに表記したりと懸命な企業努力を支えてきた。フールプルーフを徹底した、消費者のことを考えてくれている真摯な姿勢の企業と言える。

 フールとは愚か者、馬鹿のことだ。なのでフールプルーフは馬鹿除けとも訳されることがある。だが、開発者の想定の遥か斜め上をいく発想で今回の事件は起こった。

 保護者が目を離しており、パッケージに書かれていた注意喚起を読んでいない老いた大人が、凍って硬くなりわざわざ窒息しやすくなったゼリーを、与えてはいけない上に体温調節もままならない1歳の子供に丸呑みさせた。見ようによっては保険金殺人とも思えるほど馬鹿馬鹿しい、まさに想定の範囲外で発生した事件だ。親の過失が問われて当たり前だが、なぜかその矛先は馬鹿(フール)である親ではなく類似品を販売するマンナンライフへと向かった。

 最近ニュースに出て話題になった食品問題は汚染米や中国が世界に誇る殺人餃子などどれも食べた人全てが健康を害する恐れがある食品だ。残留なり混入なり、何らかの形で食品に含有されていた物質が起こす成分上の問題であり、これは生産者の品質管理や生産工程での問題などが追及されて当然の思う。

 だが、こんにゃくゼリーは「喉に詰まる」から危険なのだ。喉に詰まるというのは咀嚼が不十分なまま飲み込むことで起きるわけで、単純に呼吸ができなくなって死ぬ。

 毒入りの米、殺人ギョーザ、蒟蒻畑を1万人に食べさせてみて何人が死ぬだろうか。毒物は半数致死量が混入されていた場合を考えれば、1万人のうち5000人が死ぬ。マンナンライフ蒟蒻畑はこれまでの報告でも死者は三名であり、1億2千万の日本人口と比べれば4千万に1人という確率だ。果たしてこれから先どちらが犠牲者を出す食品で、どちらの解決を優先すべきか。馬鹿な政治屋は迷うことなく後者を選び、採決に向け躍起になっている。

 国民の関心を重大な事件から逸らすためのスケープゴート、と見ることができるだろう。極めて簡単な話だ。卜ヨ夕(これで【ぼくよゆう】と読む。トヨタではない)のリコールとほぼ同時期に盛んにテレビを騒がせたパロマの回収CMと同じように、汚染米で煮えたぎる世論の矛先を少しでも逸らすために捧げられた生贄に過ぎない。

 過去にこんにゃくゼリーで17名が死んでいる。数字で見れば数は多く見える。だが、こんにゃくゼリーに限らず食品の誤飲事故で亡くなる人は毎年多く、正月に出てくる餅と比べれば可愛いものだ。年始に出てくる誤飲死亡事故の定番である餅のパッケージにはどこにも注意喚起の文はない。他にもご飯やおかゆなど10品目がこんにゃくゼリーよりも死亡者の多い誤飲食品ということだがどれも規制の方向に進む話など聞いたことはない。そもそも世の中は正しい使い方をしなければ危ないものばかりで、突き詰めていけば「生まれてきたら何が原因で死ぬかわからないので妊娠したらすぐ堕胎しましょう」という結論になってもおかしくない。

 餅といえばこのメーカー、といったものがないのに対してこんにゃくゼリー蒟蒻畑という一品目が飛び抜けてメジャーなため、簡単に指定できる。頭の悪い国民にも分かりやすいアクションを取るなら議員立法で思い切った行動に出るのがいい。浅薄な政治家の思惑が見え隠れしてならないのは私だけだろうか。

 死亡した子供の親は親としての責任が著しく欠如しており、親に刑事責任を求めてしかるべきだろう。保護者は子供の生命を預かっている。子供に与えるべき食物を管理し、子供の生命を守る義務と責任がある。自らの怠慢でそれを怠り、子供が食べてはいけないと書いてある食品をわざわざ食べさせ、落とさなくていい命が失われたのだ。

 なお、今回の規制の原因とされるのは先の誤飲もあるが、子供がこんにゃくゼリーで死んだのをいいことにメーカーに金をたかり、某議員の言葉を借りるなら「ゴネ得」で大金を手に入れた馬鹿が法廷で勝ち得た和解案に基づくものだ。

 馬鹿親のヒステリーを真に受けて優先順位をあっさりと変え、解決すべき問題を後回しにする消費者庁。議員のエゴを満たすオナニーで鮮烈なデビューを果たした以上、まともに機能するのはこの先ないのかも知れない。国民は二の次で目先の餌にむしゃぶりつく自公、政権が欲しいだけで恰好だけ国民のほうを向いている民主、護憲護憲言ってるのに本当に元弁護士なのかってくらい党首の頭がご愁傷様な社民、日本の国会は目も当てられない。まともに野党として機能しているのがよりにもよって共産党という時点で日本は終わっている。頭にウジが湧いている馬鹿が政治を行っている以上、まともな方向に日本が進んでいくのは望み薄だろう。



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>>イリさん
 リンク貼らせて頂きました。これからもよろしくお願いしますね。