執筆について
本格的に執筆に入っている。とはいえ、まず最初に直面したのは数か月前に書いた文章が信じられないほど稚拙に感じた、ということだ。
創作をしたことがある人なら恐らく一度は経験したことがあるのではないだろうか。達成感で作品を見る目が曇っている間はいいが、極めてテンションが低い今の私の目には半年程度前に書いた当時最高傑作とも言える小説がきわめてヘタれて見えてしまうのだ。
その作品と言うのは、今年春に開催された春エロス企画に投稿する予定だった作品だ。民間の伝承と人肉食、濃い目の性描写をできる限り詰め込んだ自信作「だった」。
だが、読み返してみれば4万文字程度の中に自分の趣味嗜好を詰め込んだだけで読後感は良くも悪くもなく、言ってしまえば客寄せのためにエロとグロをとりあえず混ぜて結局何がしたいのかわからない小説だった。恐ろしいことに、半年前の私はこの作品を全力を尽くした作品として企画に投稿するつもりだったのだ。
現在はコンセプトである社会・文化への禁忌的行為をバックボーンに置いた恋愛作品として新生しつつある。
問題は、もともと勢いで一気に執筆するタイプのはずだったのに、一字一句をタイプするのに慎重になっていることだ。これまででも群を抜くスランプと言ってもいいかもしれない。だが、この低迷と停滞が今後の執筆への大きな糧になるよう、今は願うばかりだ。